前回からだいぶ時間が空きましたが
ファウスト第二部 第一幕に進みます。
あるところに財政難にあえぐ国がありました。国庫が底をつき、城中のものが差し押さえ寸前。
そんな国にメフィストフェレスは宮廷道化師として潜り込み、大魔導士として主人公を雇うよう手を回します。
クソ★ピエロが本物のピエロになったぞ
宮廷道化師(Jester) はシェイクスピアの道化師のルーツ。戯曲ファウストの
宮廷道化師は王に自由に意見ができる特殊な立場です。王の怒りを鎮め政策を批判し、かつて政治を操った道化師もいました。宮廷道化師として本物の悪魔を雇ってしまった王国の運命やいかに
財政難を解決せよ
玉座の間
財政難に困る王様に対し、メフィストフェレスは
「この紙幣を持ってきたら
でも国民の皆様はとても賢かったので「紙幣を金に変える必要はない。紙幣のままの方が便利だ」とすぐに気がつきました。
金本位制からの脱却。
こうして中世ドイツにおいて
財政問題も解決し、また市民に紙幣をばらまいたおかげで経済が活気付きました。国民も王様も大喜びです。
(なろう系小説にありそうですか?この作品が発表されたのは1833年なのです)
さてメフィストたちへの信頼ができたところへ王様からまたもや無理難題が出されます。
古代ギリシャの神々を召喚せよ
薄暗い回廊
ファウスト: 古代ギリシャの美女ヘレナと美少年パリスを出せ。王と約束したんだ早くしろ
メフィスト: 勝手なことを・・・!
・・・ひとつだけ方法があります。《母たち》 のもとに行くのです。
すでに形を失った物達の形而上世界。そこにある3本足の香炉を持ち帰れば失われた者たちも自由に呼び出せましょう。
ただしそこは人には耐えられぬ虚無の空間。行く覚悟はありますか?
ペテン師め。火中の栗を拾わせる猿にでもなった気か?いいだろう。踊らされてやる
・・・褒めてあげましょう
この鍵があなたを《母たち》のもとへ導くでしょう。
3本足の香炉を見つけたら鍵で触れなさい。そうすれば香炉はあなたに従うようになります
”鍵” に導かれファウストは <<母たち>> のもとに旅立っていきました
ファウストの冒険
おそらく、ここでファウストの大冒険があったと思うのですが・・・
書いてありません。
ゲーテ。設定だけ書いてぶん投げた
(ゲーテは書きたい場所から書いていく作家さんだったそうです)
それでは本編の続きをどうぞ
一方その頃メフィストは・・・
ファウスト帰還
騎士の間
《母たち》の元から帰還したファウスト。
ファウストは手に入れた香炉と鍵を使い、ヘレナとパリスを顕現させます。
目覚めて愛し合うヘレナとパリス。
感嘆の声をあげて喜ぶ王宮の人々。ところが・・・
ファウストは言い出したら聞かない
メフィスト: ちょっと、ちょっと。自分の役目を忘れていないでしょうね?
(ヘレナを連れさろうとするパリス)
ファウスト: まて! 勝手なことをするな!
メフィスト: ハァ・・・何を言っているんですか。ご自分で操っているんでしょ? この茶番劇
ファウスト: そうか、この鍵か・・・! この鍵で無理やり女を手に入れてやる
メフィスト: 待ちなさい! 触れてはいけません!
鍵でヘレナに触れた瞬間———
大爆発
ファウスト第二部 第一幕
爆発オチです
続きはまたそのうちに・・・
出典
- キャラクター: 青の祓魔師 (加藤和恵)
- ストーリー: ファウスト (ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ)
参考
- ファウスト第二部 ゲーテ著 相良守峯訳 岩波文庫
- Faust Parts I & II Johann Wolfgang von Goethe, translation: A. S. Kline
- Faust I + II Johann Wolfgang von Goethe, aionas
補足
知恵の蛇の眷属メフィストフェレス
悪魔メフィストフェレスはアダムとイヴを誘惑した知恵の蛇の眷属。そのせいか人間に物を教えるのがお好きな様子。
聞かれたことは教えてくれるし特に誰も聞かなくても勝手に解説しはじめます。
第一幕では教え癖が災いし、人気者になりすぎて大ピンチのメフィストフェレス。
ゲーテはなんでメフィストを萌えキャラにしちゃったのでしょうね?ゲーテは未来に生きてるな・・・