メフィストを讃えるblog

「青の祓魔師」ネタバレ考察 + α

サマエルの憑依体は誰なのか [ネタバレ考察]

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(10巻 61ページ)

青の祓魔師10巻においてメフィスト・フェレスの正体は時の王サマエルであることが明かされました。メフィスト・フェレスはここ200年ほど使っている偽名のようです。それではサマエルの憑依体となった人はだれなのでしょうか?

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撮影 Stadt Staufen, 所蔵 Staufen im Breisgau, B-W, Germany


こちらはゲーテの「ファウスト・・・の元ネタとなったファウスト伝説・・・のさらに元ネタになった人。15-16世紀のドイツに実在したとされる錬金術ヨハン・ファウストです。錬金術の実験中に爆発事故を起こして亡くなったことからファウストは悪魔と契約していたという伝説が生まれました。伝説を元ネタに様々な人形劇や戯曲が制作され、19世紀になると かの有名なゲーテによる「ファウスト」が発表されます。

さて、「青の祓魔師」劇中においてサマエルは人間社会における表向きの名前として「ヨハン・ファウスト5世」を使っています。15世紀にヨハン・ファウストに憑依し その後100年おきくらいに戸籍を書き換えているとすると辻褄が合いそうです。「メフィスト・フェレス」はここ200年ほど使っている名前とのことですが、年代を考えればゲーテにより創作された戯曲「ファウスト」(1808年、1833年)を気に入り偽名として使い始めたということでしょうね。


時の王サマエルの名の意味するところ

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天使サマエルと格闘するヤコブ, Gustave Doré (1855)

サマエルユダヤ教における死を司る天使。そしてアダムとイヴを誘惑し知恵の実を与えるよう仕組んだ者です。青の祓魔師においても時の王サマエルは人類に悪魔と戦う知恵を授ける存在として描かれます。(そういばメフィストは蛇顔ですね)

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11巻44話  知識欲が人にとって最も重要であると説く時の王サマエル

人に知恵を与え、人と人の創り出すもの全てを愛するメフィストサマエルの名がよく似合います。



サマエルはローブを被り大釜を持った死神(Grim Reaper)として度々描かれることがあります。青の祓魔師においても死神デスは時の眷属ですね。

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ところで英語版の Wikipedia をみていたら面白い記述を見つけましたよ

In some Gnostic cosmologies, Samael's role as source of evil became identified with the Demiurge, the creator of the material world.

グノーシス神話においてサマエルは物質界の創造主デミウルゴスと同一視される、とあります。物質界?どこかで聞いた名前ですね・・? デミウルゴスは偽の神。物質界に悪が満ちるのはデミウルゴスの創造が不完全であったから、というのがグノーシス主義の思想のようです。

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12巻 p65

妙にイメージと会いますね。偶然かな?

物質界と虚無界を融和し無に帰すことを望む光の王ルシフェル
時の王サマエルは何を望むでしょうか。続きが楽しみですね。

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