緻密に構成された「青の祓魔師」の世界。複雑に色を変えるキャラクターたち。2回目を読み直すと意味が変わるのも青エクの魅力です。
今日ご紹介するのは9巻34話、シュラがメフィストを脅すシーンです。
最初に読むとこのように見えるはずです:
「シュラが色仕掛けでメフィストに近寄る。脅迫しようとして逆に警告される」
ところがメフィストの能力を知った上で2回目を読み直してみると・・・おや、会話の意味がかわりますね。それでは順に見ていきましょう。
色仕掛けで近寄るシュラ。メフィストは遠くを見つめるような眼をしていますね。メフィストはタイムリープを繰り返しています。ここではない過去や未来、並行世界について語る時メフィストはこのような眼をすることが多い気がします。「酔いつぶれたところで・・」というのも未来を見てきたセリフなのかもしれません。
・・・意外です
貴女は何事にも執着しない人だと思っていました
遠くを見る瞳。これはこれまでのループの話でしょうか。
今 お幾つでしたっけ?
命は大事になさてください
私としても美女が早くに亡くなるのは惜しいのでね
このシーン、最初に読んだときは「殺されたくなければ私の邪魔をするな」という意味合いに取っていました。今読み返すと違いますね。これは八郎太郎大神のことでしょう。「お前の秘密は知っているぞ(助けてやろうか)」と言っているわけです。シュラは誰も知らないはずの秘密をメフィストが知っていることに驚いています。
シュラは八郎との契約で30までしか生きられません。タイムリミットまであと少し。それで年齢を聞いているわけです。
これまでのループでは独りだったシュラ。今回のループにおいて燐と雪男という愛弟子ができました。彼らがシュラを八郎から解放する未来を視たのか、それともこのとき計画を思いついたのか。
思えばシュラ救出任務(17巻)も非常に強引でした。任務は一人で十分と断る雪男に有無を言わさず命令するメフィスト。
2人の活躍により八郎から解放されたシュラのひとこと。
彼女は34話の一件以降、メフィストの能力に勘付いているようです。シュラは予知能力や千里眼の類と思ってそうですね。実際にはメフィストの能力はタイムリープの類なので未来予知はできません。
ちょっと戻って12巻。
お前・・・ッ
こうなること知っていたんだろ・・・?
これから起きることも・・・
そして17巻。
これもご大層な計画の内ってか・・・?
この辺りもそうですね。メフィストの能力に勘付いた上で不信感を露わにしています。敵の攻撃を知っていたハズなのにそれを避けようとしないメフィストを怪しく思っているようです。
そしてシュラを見返すメフィストの眼。メフィスト側もシュラが己の能力に気がついていることを知っている。というよりは情報を小出しにしてシュラを操っているようにみえますね。事情がわかると二人のピリついた関係が見えてきます。
2回目を読み返すと意味が変わる青エクの世界。おもしろいですね。
今日はこの辺りで。