悪魔の元ネタ（日本の神々編） - メフィストを讃えるblog

青エクに登場する魅力的な悪魔達。彼らの一部は日本の神々にそのルーツがあります。今日はその一部のご紹介です。

姿は猫又。名は蚕神。青エクのマスコットキャラクターのクロ。
彼のルーツは養蚕農家の信仰していた蚕神の神使にあるようです。

写真は金比羅神社内にある木島神社だそうです。左右に見覚えのある猫の像が・・・！
ネズミ被害に手を焼いていた養蚕農家は蚕神に守護を願いました。ネズミの天敵である猫がその神使とされたようです。

出典：

リンク先は神使像を研究されている福田博通さんによる素晴らしいデータベースです。情報量がすごい・・・！

八郎のルーツは東北地方で信仰されていた八郎太郎にあります。
青森、岩手、秋田県にかけて多数の伝説があり、そのバリエーションは様々です。主な登場人物は八郎太郎、辰子、そして法力僧の南祖坊。特に関係してそうなエピソードをさらっとまとめると以下のようになります：

観音様に導かれた南祖坊は八郎太郎と戦う。南祖坊勝利。

永遠の美貌を願った辰子は竜に変化し湖の主となる

愛し合う八郎太郎と辰子。そこに現れた南祖坊。辰子を巡り再度戦う八郎と南祖坊。八郎勝利。

これらをうまく組み合わせると青森編になりそうですね。観音をメフィストに、南祖坊を燐や獅郎に読み替えるとだいたいしっくりきます。実際にある伝説を下敷きにあんなに面白い話にしてしまうのすごいなぁ・・・

物語の舞台になったのは永久蛇（とわだ）神社ですが、この元ネタはおそらく十和田（とわだ）神社でしょう。

十和田神社は十和田青龍権現（南祖坊）信仰にルーツのある神社で八郎太郎伝説を伝えています。作中の神社によく似ていますね。

出雲の使い魔であるウケとミケ。
彼らは作中にてウカノミタマの神の神使、それぞれ御食津（みけつ）一族の八番位と保食（うけもち）一族の八番位として紹介されています。

宇迦之御魂神（ウカノミタマのかみ）は日本神話に登場する食物神です。伏見稲荷大社の主祭神でありお稲荷様として広く信仰されています。御食津神、保食神はウカノミタマの別名とされるそうです。

思っていたよりも強そうですね。ウケとミケ。古事記に登場するような神の一族だったとは・・・

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どうやら作中世界の日本において悪魔達はヤオロズの神々として崇められているようです。

「日本の神々はキリスト教から見れば悪魔に近い」

宗教観の違いを説明する際にしばしば耳にする言説です。古代、キリスト教はその拡大の過程において多神教の神々を悪魔と認定してきました。そのような観点から見ると確かに日本の神々は悪魔と呼べるかもしれません。

キリスト教を母体とする正十字騎士團はそれらを悪魔と呼び、アジアの人々は神と呼ぶ。

現実の歴史と宗教観を反映しているようで興味深いです。悪魔／神々と人が共存する世界。各国においてその関わり方が違っていて、そのあたりにリアリティを感じます。

青エクの悪魔。とても面白い存在です。